パパママ育休プラス制度を簡単に解説!概要、メリット、デメリットとは

パパママ育休プラス制度を簡単に解説!概要、メリット、デメリットとは パパママ育休プラス制度

あまり聞き慣れないけど、「パパママ育休プラス制度」って何なの?

そう思っているパパやママは多いのではないでしょうか。

そんな「パパママ育休プラス制度」の内容とメリット、デメリットを簡単にまとめてみました。

パパママ育休プラス制度の内容を簡単に紹介

パパママ育休プラス制度とは、父親の育児休業の取得を促進するため、パパ、ママともに育児休業を取得した場合の特例を設けたものです。

具体的には

  • 育児休業を約1年間取ることが出来る
  • 育休手当(育児休業給付金)が出る

といったメリットがあります。

近年では仕事と育児を両立しやすいよう、また母親だけでなく父親も育児に参加できるように、こういった制度が設けられるようになってきました。

この育児休業の特例は2010年(平成22年)に育児・介護休業法の改正によってスタートしたもので、「パパママ育休プラス制度」と厚生労働省が名付けました。

施行されてからもう7年が経ちますが、残念ながらあまり知れわたっていません・・・。

パパママ育休プラス制度の対象となる条件

パパママ育休プラス制度を利用することで、パパ、ママともに育児休業を取得し、一定の要件を満たした場合、育児休業期間が子供の1歳2か月に達する日までに延長可能となります。

「夫婦両方とも休業を取らなければならないのか?」と思う方も居るでしょう。

実はパパとママが同時に育児休業を取る場合だけでなく、交代で取る場合も含みます

ただし、育児休業を1年2か月の間、まるまる取れるわけではなく、パパ、ママそれぞれが取得できる休業期間の上限は1年間となっています。

  • ママの場合は、出生日、産後休業期間を含めて1年以内まで。
  • パパの場合は、ママの出産日から、子供が1歳2か月に達する日までの間、1年以内。
  • パパがママの産後休業期間中8週間以内に育児休業を取った場合は、再度育児休業を取ることができます(合わせて1年以内)。

では、パパママ育休プラス制度の対象となるための条件をみてみましょう。

「パパママ育休プラス制度」では下記のいずれの要件も満たす必要があります。

  1. 育児休業を取ろうとしている本人(ここではパパとします)の配偶者(ママ)が子供の1歳に達する日(誕生日の前日)以前に、育児休業を取っていること。
  2. パパの育児休業開始予定日が、子供の1歳に達する日の翌日(誕生日)以前であること。
  3. パパの育児休業開始予定日が、ママの取っている育児休業の初日以後であること。

けっこうわかりづらいですよね。

そこで、具体例を掲載した記事もありますので、具体的にはそちらを参考になさって下さいね。

⇒ パパママ育休プラス制度を7つの具体例でよりわかりやすく解説!

なお「パパママ育休プラス制度」で育児休業を取っている場合でも、保育園に入園できない等一定の要件を満たせば、1歳6か月、または2歳前までの期間、育児休業を延長することができます。

パパママ育休プラス制度を利用した場合の育休手当は?

パパとママが育児休業を取れるのはありがたいですが、気になるのは育休手当(育児休業給付金)のことですよね。

もちろん、パパとママ二人で育児休業を取ったとしても、両方の育児休業給付金をもらうことができます。

パパママ育休プラス制度を利用した場合の育児休業給付金は、パパ、ママともに育児休業を取り、上記の1~3のいずれにも該当し、一定の要件を満たせば支給されます。

支給される対象期間は、子供が1歳2か月に達する日の前日(1歳2か月になった日の前々日)までの間に、最大1年までとなります。

  • ママは、出産日と産後休業期間と育児休業期間を合わせて1年間
  • パパは、出産日から子供が1歳2か月に達する前までの間で1年間

育児休業給付金の給付額については、

  • 1日目~180日目:パパ、ママそれぞれ、育児休業開始日から180日目までは賃金月額の67%
  • 181日目~:賃金月額の50%

それぞれ給付されます。

なお、保育園に入園できない等一定の要件を満たすことによって育児休業を取った場合、子供が1歳6か月に達する日前、または2歳に達する日前までの期間、育児休業給付金の支給が延長されます。

パパママ育休プラス制度を利用するメリット

パパママ育休プラス制度を利用することによって、次のようなメリットが考えられます。

  • 共働きが増加したこともあり、パパが育児休業を取ることによって、ママの職場復帰の助けとなります。
  • 核家族や晩婚化が増えたため、それぞれの両親に頼ることができなくなってきています。産後の動けない時に、パパにいてもらえるとママの負担が軽減できます。
  • パパも子育てに関わる良い機会となり、子育ての楽しさや大変さも実感できるように。
  • 子育てに積極的に取り組むことにより、仕事をする励みになり、仕事に対する意識が変わることも。

育児休業を経験したことのある多くのパパたちが、子供ができたらもう一度育児休業を取りたいと思っているそうです。

少々複雑な制度ですが、パパママ育休プラス制度を利用することで、このようなメリットもありますので、こんな制度があるということを頭に入れておいて下さいね。

簡単にはできない?パパママ育休プラス制度の利用が取りづらい理由

実はこの制度、ノルウェーやスウェーデン、ドイツ等の「パパ・クォーター制」、「パパの月」と呼ばれるものと類似している制度ですが、なかなか日本では浸透してくれないみたいです。

パパの育児休業は、会社に規定がなくても、一定の要件を満たしていれば取得することができますが、実際にはそう簡単に取れるものではありません

その原因として、次のような理由が考えられます。

  • パパの育児休業が、法律で認められていると言っても、なかなかOKを出してくれる会社なんてそうそうない
  • 申し出たところで、育児休業は認められないと思うから、関心がない
  • 収入が減るのが不安。
  • 復帰後のポジションがどうなっているか不安。
  • 出世に響く。
  • 同僚に負担が掛かる。
  • パワハラが心配。

「パパママ育休制度」を父親が取得する場合のママからの意見

また、父親の育児休業について、実は出産後のママからの意見も賛否両論あるんです。

パパの育児休業に対するママの考え方としては、前述したメリットもありますが、後ろ向きな意見もあります。

ママの視点からみた「パパママ育休プラス制度」について、リサーチしてみました。

  • 子育てに向いている、家事が上手にできるなど、ママを十分に休ませてあげられるパパなら育児休業を取ってもらうとありがたい。
  • 1か月健診や予防接種等の時に、一緒に行ってもらえると助かる。
  • 収入が減ってしまうと困る。
  • もし、暇を持て余して好き放題されたら、かえって目障り。
  • 気が利かず、指示されないと動かなかったり、パパの世話までしなければならないのなら、大変。
  • あまり役に立っていないのに、ちょっと手伝っただけで大きい顔をされるとイラッとくるかも。
  • 育休を取らなくても、なるべく早く仕事から帰ってきて、お風呂や手が回らない家事を手伝ってもらえるだけで助かる。

産後、自分が助かるのならパパにも育児休業を取ってもらいたいけど、かえって手が掛かったり、気を遣ったりするならば、ちょっと…というところなのでしょうか。

パパママ育休プラス制度を利用するかしないか、利用するとしたらどのタイミングがいいのかを、パパとママで十分話し合う必要があるかもしれませんね。

 

しかしながら、現実的には、夫婦で育児休業を取れるパパ・ママがいる一方で、出産を機に退職を促されるママ、我が子が産まれて妻が大変そうでも、残業や休日出勤をしなければならないパパがいます。

この差って何なのだろうって思ってしまいますよね。

我が国の子育ての意識の問題や、ほとんどの企業で、育児休業を取らせてあげられるだけの、または、子育てをサポートさせてあげられるだけの余裕がないことが原因なのかもしれません。

育児休業を取る、取らないは、意識の違いや価値観の違いもあると思いますが、せめて子供が産まれてママが大変な時期だけでも、パパがサポートできるような社会になってくれればいいなあと思います。

そして、虐待や育児ノイローゼが少しでもなくなることを願います。

 

次回の記事からは、「パパママ育休プラス制度」について、もう少し踏み込んで、詳しくお伝えしていきたいと思います。

パパママ育休プラス制度の対象となるための条件とは?ポイントを詳しく解説

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