前回の記事では、パパママ育休プラス制度について簡単に紹介しました。
それでも、なかなか分かりづらい制度ですので、何回かに分けて解説していきたいと思います。
今回は、パパママ育休プラス制度の条件について、詳しくお伝えしていきます。
パパママ育休プラス制度を利用した場合の育児休業期間
パパママ育休プラス制度とは、子供が1歳になるまでにしか取得できない育児休業を、ママだけでなくパパも育児休業を取ることによって、2か月延長して取得できるという制度です。
ただし、育児休業を1年2か月の間、まるまる取れるわけではなく、パパ、ママそれぞれが取得できる休業期間の上限は1年間となります。
その間、パパとママが育児休業を同時に、または、交代で取ることができます。
つまり、パパママ育休プラス制度は、子供が1歳2か月に達する日までに、パパとママの育児休業をそれぞれ1年以内で、振り分けることができるという制度なのです。
ただし、この育児休業期間には、次のような決まりがあります。
- ママの場合は、出生日、産後休業期間を含めて、1年以内です。
- パパの場合は、ママの出産日から、子供が1歳2か月に達する日までの間、1年以内が育児休業期間となります。
- パパがママの産後休業期間中8週間以内に育児休業を取った場合は、再度育児休業を取ることができます(合わせて1年以内)。
パパママ育休プラス制度の対象となるための条件
では、パパママ育休プラス制度の対象となるための条件をみていきましょう。
厚生労働省の資料にはこうあります。
〇 パパママ育休プラス制度の対象となるためには、配偶者が子の1歳到達日以前のいずれかにおいて育児休業をしていることが要件となります。
ただし、以下の育児休業についてはパパママ育休プラス制度の対象とはなりません。
- 本人の育児休業開始予定日が、子の1歳到達日の翌日後である場合。
- 本人の育児休業開始予定日が、配偶者がしている育児休業の初日前である場合。
また、法律上、男女とも、パパママ育休プラスとして要件を満たす場合には、1歳2か月まで育児休業を取得できるとされており、男性労働者のみを対象とすることは許されませんとあります。
少々分かりづらいかもしれませんので、1つずつ解説していきたいと思います。
〇 配偶者が子の1歳到達日以前のいずれかにおいて育児休業をしている
パパママ育休プラス制度を利用しようとしている本人をパパとして、その配偶者をママとします。
パパが、パパママ育休プラス制度を利用して、育児休業を取る場合は、ママが子供の1歳の誕生日前日以前に、育児休業を取っていなければなりません。
つまり、ママが産後休業後から子供の1歳の誕生日の前日までの間に、育児休業を取っていれば、パパがパパママ育休プラス制度を利用して育児休業を取れるということです。
なお、配偶者については、法律上の配偶者だけでなく、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合も含みます。
また、育児休業は、公務員が法律上の規定に基づき取得する育児休業を含みます。
1、本人の育児休業開始予定日が、子の1歳到達日の翌日後である場合は対象とならない
子供の1歳到達日の翌日とは、誕生日のことです。
ですので、パパの育児休業開始予定日が、子供の1歳の誕生日の後になっている場合は、対象にならないということです。
つまり、パパの育児休業は、子供の1歳の誕生日の翌日以降から開始することはできません。
2、本人の育児休業開始予定日が、配偶者の育児休業の初日前である場合は対象とならない
パパの育児休業開始予定日が、ママの取っている育児休業の初日前であってはならないということです。
どういうことかと言いますと、パパの育児休業開始日が、ママの取っている育児休業の開始日以降でなければならないんです。
ママもパパママ育休プラス制度の対象になれる
上記では、パパママ育休プラス制度を利用するのがパパという設定で、話を進めてきましたが、男女とも制度の対象となるということから、ママがパパママ育休プラス制度の対象者になることもあります。
- パパが子供の誕生日前日以前に育児休業を取っている。
- ママの育児休業開始予定日が、子供の1歳の誕生日以前である。
- ママの育児休業開始日が、パパの育児休業の開始日以降である。
このように3つすべての要件を満たしていれば、ママもパパママ育休プラス制度を利用することができます。
例えば、産後休業の後に、どうしても一時的に職場復帰しなければならない場合などに、活用すると良いかもしれませんね。
パパママ育休プラス制度の条件のまとめ
パパママ育休プラス制度とは、子供が1歳2か月に達する日までに、パパとママの育児休業をそれぞれ1年以内で、振り分けることができるという制度です。
パパママ育休プラス制度を利用して、育児休業を取得できる期間は下記の通りです。
- 育児休業期間は、パパの場合は上限1年間、ママの場合は出生日、産後休業と合わせて1年間。
- パパがママの産後休業期間中8週間以内に育児休業を取った場合は、合わせて1年以内の範囲で再度育児休業を取ることができる。
パパママ育休プラス制度の対象となるためには、下記のすべての要件を満たす必要があります。(パパとママを入れ替えてもOKです。)
- ママが子供の1歳の誕生日前日以前に、育児休業を取っていること。
- パパは、子供の1歳の誕生日の翌日以降から育児休業を開始することはできない。
- パパの育児休業開始日が、ママの取っている育児休業の開始日以降でなければならない。
これらの条件が揃えば、パパママ育休プラス制度を利用することができます。
ちょっと複雑で分かりづらい制度なので、理解するのが大変だと感じてしまうかもしれませんね。
しかし、両親に頼れない場合や、ママの職場復帰の準備など、利用次第では、かなりメリットがある制度だと思います。
パパ、ママともに協力し合って、パパママ育休プラス制度を上手に利用してくださいね。
次回の記事では、パパママ育休プラス制度の具体例をあげて解説していく予定ですので、ぜひそちらも参考になさって下さい。