お勤めされている方には、あまり馴染みのない「確定申告」。
しかし、育児休業を取って育休手当(育児休業給付金)をもらっている時には、確定申告をする可能性があるんです。
妊娠・出産・育児休業と確定申告の関係をわかりやすく解説していきます。
育休手当をもらっている場合の確定申告
「確定申告」というこのワード、誰でも聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかし、具体的に何をどうするか、わかっていない方が多いのでは。
「確定申告」とは、その年の所得について自分で税額を算出して、税務署に申し出ることです。
確定申告は、自営業の方や高所得の方がするものと認識しているかと思いますが、妊娠・出産、育児休業を取得した場合に、確定申告をすることによって税金の一部が戻ってくることがあります。
そのためには、自分で確定申告を行わなければならないのです。
ちょっと面倒ではありますが、お得に戻ってきた方が断然いいですよね。
ここでは、確定申告をすることによって、払い過ぎた税金の一部を還付してもらえる可能性のある下記の3つのことについて、説明していきます。
- 所得税が天引きされているのに、年末調整で戻ってこなかった
- 配偶者控除や配偶者特別控除が適用されていない
- 1年間で家族の医療費が10万円以上になった
1、所得税が天引きされているのに年末調整されていない
育児休業を取っている時、その年の1月から12月までの会社からの収入が0の場合は、支払う税金もないので、年末調整もされていないし、確定申告をする必要もありません。
また、その時支給されている育休手当は、非課税ですので課税の対象にはなりません。
もし、1年間の間に給料等が支払われていて、所得税が引かれているならば、年末前後にもらう源泉徴収票を確認してみて下さい。
年末調整によって、1月から12月までの給料明細書の所得税の合計額から、源泉徴収票の右上の源泉徴収税額を引いた金額が、振込み等で戻ってくるはずです。
ほとんどの会社では、振込み等で返金手続きをしていると思いますが、万が一、返金されていない場合は、確定申告をすることによって戻ってきます。
会社の年末調整で、生命保険料などの控除ができなかった場合も、確定申告をすることで税金の一部が戻ってきます。
2、配偶者控除や配偶者特別控除が適用されていない
前章では、育児休業を取っている本人(ここでは妻とします)の源泉徴収票についてお話ししましたが、この章では(夫の)源泉徴収票について確認していきます。
前回の記事で、妻の1年間の給付金以外の給与収入が103万円以下(所得が38万円以下)の場合は、夫の扶養になれることをお話ししました。

夫の納税額を計算する際、妻が夫の扶養になっている場合には「配偶者控除」が適用となり、また、妻の給与収入が103万円超141万円未満の場合は「配偶者特別控除」が適用されます。
「配偶者控除」もしくは「配偶者特別控除」が適用されることによって、節税することができます。

しかし、「配偶者控除」「配偶者特別控除」を会社に申告しなかったり、妻の収入額を源泉徴収票で確認するのが申告に間に合わなかったり、会社で控除してもらえなかったりする場合があります。
そのような場合は、確定申告をすることによって、税金の一部が戻ってきます。
夫の源泉徴収票から、「配偶者控除」「配偶者特別控除」が引かれているどうかは、お手元の源泉徴収票の下記の欄を確認してください。
住所の記載されている左下の「控除対象配偶者の有無等」の「有」の欄に〇がついていれば、「配偶者控除」が引かれています。
その隣当たりの「配偶者特別控除の額」に金額が記載されていれば、「配偶者特別控除」が引かれています。
正直言って、源泉徴収票の見方って、ややこしくてわかりづらいです。
不安な時は、会社の担当者や税務署に問い合わせをしてみましょう。
もし、条件が整っているにもかかわらず、「配偶者控除」や「配偶者特別控除」が適用されていない時には、確定申告にチャレンジしてみて下さいね。
3、1年間で家族の医療費の合計が10万円以上に
医療費控除とは、自分や生計を一にする配偶者、その他の親族のために医療費を支払った場合に、一定の金額の所得控除を受けることができる制度のことです。
医療費控除は、その年の1月1日から12月31日までの1年間、家族全員の医療費の合計が10万円を超えていると対象になります。
しかし、医療費控除は会社ではやってくれないので、自分で確定申告をしなければなりません。
つまり、1年間の家族全員の分の医療費が10万円を超えた場合、自分で確定申告をすることによって税金が少し戻ってくるのです。
家族全員分といっても、なかなか10万円を超えることってあまりありませんが、出産した年は、出産費用(健診代、通院の際の交通費等も含む)がかさみますので、ぜひ計算してみてほしいと思います。
ただし、出産時に支給される出産育児一時金は、医療費控除を計算する際に医療費の合計から差し引きます。
(出産手当金や育児休業給付金は、無収入をサポートをするための給付金なので、医療費から差し引く必要はありません。)
医療費控除は、他にも細かく要件等がありますので、下記サイトでご確認下さい。
また、医療費控除を夫と妻のどちらで確定申告をするかということですが、高収入の方でしたほうがいいといわれています。
しかし実際には、一般のサラリーマンですと、もしかしたら妻側で医療費控除をした方が、戻り金が多い場合もあるようですので、夫や妻の収入を見て判断するか、税務署の方に相談してみるのもいいかもしれません。
医療費控除をどちらでするとお得なのかが載っている他サイトを見付けましたので、参考になさって下さい。⇒

育休手当をもらっていて確定申告が必要な場合は?
では、確定申告が必要な場合はどのようにすればいいのでしょうか。
2月16日から3月15日の間に、税務署、あるいは確定申告会場に行って確定申告をします。
その地域によって、確定申告会場が設けられることがありますので、市区町村の広報誌などで、場所をチェックして下さいね。
また、持参する書類がありますので、二度手間にならないように、これも税務署や市区町村の広報誌などで必ず確認してください。
- 妻の確定申告をするときは、妻の源泉徴収票、必要であれば生命保険料などの控除証明書。
- 夫の確定申告をするときは、夫の源泉徴収票、妻の源泉徴収票など。
- 医療費控除の場合は、確定申告をする人の源泉徴収票、医療費の領収証など。
- いずれの場合も、マイナンバーカード、振込先の口座がわかる通帳などが必要です。
まず、受付けでどういう内容の確定申告をするのかを伝えます。
例えば「年末調整がされていない」「生命保険料の控除」「配偶者控除」「医療費控除」「住宅ローン控除」など。
あとは税務署の方の指示に従って手続きをすればOKです。
若干混み合いますが、手続き自体は意外と簡単です。
確定申告をしてから1か月後くらいに、指定口座に還付金が振り込まれます。
もし、期間内に控除をし忘れた時は、「還付申告」をすれば大丈夫です。
還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間が提出期限となっています。
また、確定申告後に税額を修正する場合は、「更生の請求」という手続きが必要です。
いずれも、税務署に相談をしてみるのがよいでしょう。
所得税が0円でも住民税は節税できる可能性が
夫の所得税が0円でも、妻が扶養になれるのであれば、配偶者控除はしておいた方がいいのです。
例えば、夫が住宅借入金の控除を受けて所得税が0円だとしたら、配偶者控除をしても所得税は変わらず0円です。
しかし、配偶者控除が記載されている源泉徴収票のデータは、各市町村役場に送られて住民税の算定のもとになります。
所得税とは別に、住民税でも配偶者控除が引かれて計算されるので、住民税は節税される可能性があります。
所得税が0円であっても、とりあえず配偶者控除はしておきましょう。
また、所得税は給与収入が103万円以下で非課税になり、税金が0円になりますが、住民税に関しては、給与収入が100万円以下の場合に非課税となります。
給与収入が103万円以下であっても、各市町村役場に申し出ることで、住民税が安くなったり、0円になったりする場合もあるので、念のため問い合わせてみて下さい。
確定申告にかかわらず、税金関係のことっていまいち理解しづらいですよね。
しかし、少しでも知っていることでお得になることもたくさんあります。
育児休業を取っている方は、ぜひ税金が戻ってくるかチェックしてみて下さいね。