育児休業に入って、「育休手当の入金が、あまりにも遅いけど大丈夫?」と、心配になるママさんも多いのではないでしょうか。
実は、この育休手当(育児休業給付金)、かなり後になって振り込まれます。
なぜ給付が遅いのか、育児休業給付金のシステムを説明しながら、疑問にお答えしていきたいと思います。
どうしても育休手当が遅くなってしまう給付の仕組み
育児休業の間、収入がないので、どうしても育休手当を当てにしてしまいますよね。
それなのに、1か月が経っても2か月が経っても、振り込まれる気配がありません。
ズバリ!育休手当(育児休業給付金)が振り込まれるのは、育児休業に入ってからかなり後になります。
それは、育児休業給付金の手続きや給付の仕組みに関係しています。
まず、育児休業給付金が給付されるまでの仕組みについて、お話ししたいと思います。
一般的には、育児休業給付金は、事業主(会社)がハローワークで申請を行います。
給付金の申請書を提出する際に、賃金台帳と出勤簿を添付することが、義務付けられています。
育児休業給付金は、育児休業中に働いた日数や時間、給料の金額によって、給付ができなかったり、減額されてしまったりします。
そのため、育児休業期間中に、給料が支払われていないか、出勤した日はないかを確認するのです。
また、育児休業給付金は、1か月ごとの支給単位期間を2回分ごとに申請し、それが支給されるシステムになっています。
(育児休業給付金を支給する都合上、育児休業を1か月ごとに区切った期間を、支給単位期間といいます。)
要するに、2か月ごとに申請して、その2か月分が支給されるということです。
育児休業給付金は、産後休業後、育児休業が開始してから、2回分の支給単位期間に対する賃金の締日の後に申請をして、その後、ハローワークから約1週間ほどで、振り込まれるという仕組みになっています。
育休手当の給付が遅いのは、ハローワークに行くタイミングかも
例えば、4月3日から育児休業に入るとします。
この場合の支給単位期間は、4月3日~5月2日、5月3日~6月2日、6月3日~7月2日…となりますよね。
会社の給与の締日が15日だとして、それから25日の給料日までの間に計算をして賃金台帳を完成させます。
2か月ごとの申請ですので、1回目の申請は2回分の支給単位期間4月3日~5月2日、5月3日~6月2日の分になりますが、6月2日分の給与の締日は6月15日です。
それから、賃金台帳を完成させて、すぐにハローワークに行って申請したとしても、支給は6月末か、7月の始めになってしまいます。
これは、順調にいった例ですが、それでも3か月くらいかかってしまいますよね。
また、初回の支給申請の提出時期は、育児休業開始日から4か月を経過する日の属する月の末日までとなっていて、期限までには結構余裕があります。
上記の例ですと、4月3日が開始日なので、8月31日が提出期限となります。
それに、ハローワークも近くにあるとは限りませんし、頻繁に行くところでもありません。
さらに、総務と経理を一人で担当している会社は、給与計算後の何日かは、特に忙しいので、担当者によっては後回しにされてしまうこともあるかもしれません。
2回目の支給単位期間の最終日が給与の締日のすぐ後といった、育児休業開始のタイミングだったり、担当者の手続き次第では、遅れる可能性もあるということを、頭に入れておいた方がいいかと思います。
育休手当が遅い時、本人でも手続きできるって本当?
それにしても、「育休手当があまりにも遅い」「担当者がルーズだから心配」という方もいらっしゃると思います。
ハローワークの資料によると、『事業主を経由して提出することが困難な場合や、被保険者本人が自ら申請手続を希望する場合は、被保険者本人が提出することも可能です。』とあります。
ですので、会社には提出書類を揃えてもらって、自分でハローワークへ行って申請手続きをするのもいいかもしれません。
きちんと提出書類さえ持っていけば、手続き自体、そんなに難しいことではないと思います。
https://www.hellowork.go.jp/dbps_data/_material_/localhost/doc/ikujikyugyou.pdf
しかし、法人の窓口は一般の窓口ほど待ち時間はないにしても、ハローワーク自体混雑しています。
生まれたばかりの子供を連れて行くのも大変ですので、なるべくだったら会社でしてもらえるといいですよね。
どちらにしろ、自分の生活に関わってくることなので、育児休業給付金の制度について、よく理解しておくことが大切なのではないでしょうか。
育児休業を取得する場合は、会社に1か月前程までには申し出て、事前に必要書類をもらい提出しておけばスムーズかもしれませんね。
また、わからないことがあったら、遠慮せずに、会社の担当者やハローワークに問い合わせをしてほしいと思います。
そして、育児休業給付金が受け取れるのは、出産してから数か月掛かるものとして、育児休業中のやりくりには十分注意してください。