一口に離乳食用の食器と言っても、材質は様々。
「うちの赤ちゃんに一番良いのはどんな素材なの?」と悩んでしまいますね。
離乳食用食器の材質の中でも、今回は「磁器」についてメリット・デメリットをまとめてみました。
離乳食用食器で使われる磁器とはどんな素材なの?
離乳食用食器の材質でよく聞く磁器。磁器とはどういう素材なのでしょう。
磁器は、陶石という石を原料に高温で焼成されたもので、吸水性がほとんどありません。
色はたいてい白色で、ツルッとした手触りです。また、叩くと金属のような音がします。
代表的な磁器は、伊万里焼や九谷焼で、一般的には陶器より強度が高いと言われています。
磁器の中には、ボーンチャイナ、ニューボーン、半磁器、強化磁器といった種類のものもあります。
- ボーンチャイナ・・・肌色系の白色で牛の骨を30%以上含んだもの
- ニューボーン・・・肌色系の白色で長石を含んだもの
- 半磁器・・・陶器の特徴も兼ね備えた磁器で吸水性が多少ある
- 強化磁器・・・ファインセラミックである「アルミナ」を配合して耐久性をアップさせたもの
このように磁器は、石や骨を原料にしているため、プラスチック製や木製に比べて、どっしりとした重さがあります。
磁器製の離乳食用食器を使うメリット
安定感がある
重さがあるため、プラスチック製など軽い素材よりも安定感がアップします。
赤ちゃんは食事のときにお皿に腕や肘をぶつけてしまったり、力任せにスプーンやフォークを使うこともしばしば。
そんなとき、軽い食器だとちょっとした力でお皿が動いてしまうので、落下してしまったり、赤ちゃんが食べづらいことも。
その点磁器は重さがしっかりあるので、手がちょっとひっかかったり、落ち着いて食べているときの赤ちゃんの力ぐらいでは、食器が滑ったりずれたりする心配はありません。
自分で食べたい気持ちが芽生えた赤ちゃんにとって、お皿が障害になりません。
また、軽い素材のお皿はひっくり返りがち。離乳食が台無し、掃除に追われてイライラ・・・そんな負のスパイラルに巻き込まれずに済みます。
傷や汚れに強い
硬い材質なので傷がつきにくく、吸水性がほとんどないので着色汚れもありません。
また、表面がツルッとしているため、食器洗いのときも簡単に汚れが落ちます。
ミートソースやカレーなどのメニューでも、色が染み込んでしまったら、なんてことは心配無用です。
割れにくいため長持ち
もともと陶器よりも割れにくい特徴がある上、強化磁器製だとさらにその耐久性はアップしていますので、万が一テーブルから落ちても簡単には割れません。
我が家の強化磁器製の離乳食用のお皿は離乳食卒業後も、小鉢やデザート皿として計10年ほど使用しています。
何回か不注意で落としてしまいましたが、いまだに亀裂や欠けはありません。
長持ちすることで、お皿に愛着も湧きますし、何より経済的ですね。
時短ができる
時短家電が使用できるのが磁器の嬉しいところ。電子レンジ、オーブン、食洗器など、たいていの磁器には使えます。
育児家事で毎日忙しいママに、ひと手間省ける強い味方ですね。
磁器製の離乳食用食器を使うデメリット
割れやすい
メリットでご紹介した「割れにくい」と矛盾するようですが、やはり乱暴に扱ったときはプラスチックよりも割れやすいです。
食器をつかむ・投げる癖のある赤ちゃんや、突然暴れ出すこともあるイヤイヤ期にはおススメできません。
また、わざとでなくても何度も繰り返し落下することで、亀裂が生じそこから欠けたり、一気に割れることも。
割れた場合、破片で赤ちゃんがケガをする危険がありますし、掃除も大変。
食事中は目を離さないようにする必要があります。
値段が張る
磁器は大きさにもよりますが、一つ1000円前後が相場です。
磁器でワンセット揃えたり、割れたときに買い替えることを考えると、出費はある程度覚悟が必要です。
扱いに注意が必要
急激な温度変化に磁器は弱く、亀裂が入ったり、欠けたりする原因になります。
オーブンや電子レンジで加熱直後に急激に冷やしたり、冷えたお皿に熱々の離乳食を入れたりするのは厳禁です。
物によっては、食器が濡れたままの加熱や浸け置き洗いもNGの場合も。
購入した時の取扱説明書に従って扱う必要があり、ちょっと面倒くさがりの人には煩わしく感じるかもしれません。
離乳食用食器を磁器にしたい場合のおススメタイミング
床に安全対策をしたら
やはり床が硬いと落としたときに割れる確率が上がります。
フローリングの場合はフロアマットを敷くなど、万が一落とした時に割れにくくなる対策をすると安心です。
赤ちゃんの食事時の食べ癖が分かったら
赤ちゃんが食べるときに、食器をつかんだり投げたりする癖が無いかを見極めてから、磁器製を使うのがおススメです。
いきなり磁器製を使って、割ってしまったらショックですよね。
最初は木製やプラスチック製などの割れにくい素材を使ってみて、癖を観察してみましょう。
食べることが大好きな子や、もともと大人しい子の場合、食器をわざと落としたり投げたりすることは少ないです。
わが子が磁器製を使っても大丈夫と分かってから使うことで、食器が割れる可能性もぐっと減りますし、なによりケガの心配も減ります。
赤ちゃんが周りの言うことを理解できるようになってきたら
長い離乳食期の間に、赤ちゃんもグングン成長します。
個人差もありますが、離乳食中期~後期頃になると繰り返し教えることで分かってくれるようにもなります。
「食事のときは座る」「食器は振り回さない」など、食事のマナーができてきたり、落ち着いて食事に集中できるようになったら、食器も割る心配も減りますね。
磁器にもその他の材質の食器にも、それぞれメリット・デメリットがあります。
離乳食の調理のとき電子レンジを頻繁に使う予定とか、絶対割れないことが第一など、「これだけは譲れない!」というポイントに合った材質を選ぶと失敗しませんね。
材質も一つに絞らず、複数ミックスして持っておくこともおススメです。