離乳食を始めたばかりの赤ちゃんにとって、裏ごしは欠かせない調理法です。
裏ごしをすることで、食材をなめらかなペースト状にし、赤ちゃんが食べやすく、飲み込みやすい形に仕上げることができます。
また、野菜の繊維や種などを取り除くことで、消化吸収がよくなり、アレルギー反応のリスクも減らすことができるのです。
この記事では、離乳食の進め方と裏ごしの関係、裏ごしの方法とコツ、裏ごし器がない場合の代用法、裏ごしした離乳食の保存方法、そして裏ごしに関する注意点について詳しく解説します。
離乳食の進め方と裏ごしの関係
離乳食は、赤ちゃんの成長に合わせて段階的に進めていきます。
それぞれの時期に適した食材の固さや大きさを知っておくことが大切です。
離乳初期(5~6ヶ月):なめらかペースト状
この時期は、母乳やミルクから離乳食に慣れる練習の段階です。
10倍がゆをベースに、野菜や果物を裏ごしして、舌でつぶせるくらいのなめらかさに調理します。
離乳中期(7~8ヶ月):舌でつぶせる固さ
徐々に裏ごしの回数を減らし、舌でつぶせるくらいの固さのものを取り入れていきます。
食材の種類も増やし、豆腐や白身魚なども裏ごしして与えます。
離乳後期(9~11ヶ月):歯ぐきでつぶせる固さ
歯ぐきでつぶせる固さまで食材を柔らかくします。裏ごしはほとんど必要なくなりますが、繊維の多い食材は裏ごしを続けると良いでしょう。
離乳完了期(12~18ヶ月):食べやすい大きさに調理
食材の固さは大人と同じでも大丈夫ですが、食べやすい大きさに切るなどの工夫が必要です。裏ごしは基本的に必要ありません。
裏ごしの方法と必要なもの
必要な道具
裏ごしには、専用の裏ごし器を使うのが一般的です。
ステンレス製や樹脂製のものがあり、網目の細かさも様々です。離乳食作りには、なるべく目の細かい裏ごし器を選ぶと良いでしょう[7]。
裏ごし器以外にも、すり鉢を使って裏ごしすることもできます。
すり鉢は、裏ごし器よりも粗めの仕上がりになりますが、手軽に使えるのが魅力です。
裏ごしに適した食材
裏ごしに適した食材は、加熱するとやわらかくなるものです。代表的なものは以下の通りです。
- かぼちゃ
- さつまいも
- じゃがいも
- にんじん
- だいこん
- とうもろこし(裏ごしが難しい場合は、ブレンダーを使用)
裏ごしの手順
裏ごしの手順は以下の通りです。
裏ごしをする前に、食材を茹でたり蒸したりして十分に柔らかくしておきます。
固い食材だと裏ごしがうまくいきません。竹串などがスッと通るくらいが目安です。
濡らした布巾の上で作業すると安定します。
すべらないように、固く絞った濡れ布巾の上に受け皿をのせ、その上に裏ごし器をセットします。
裏ごし器の網の上に、加熱した食材を少量ずつ乗せます。一度に多く乗せすぎないのがコツです。
木べらやゴムベラを使って、裏ごし器の網目に対して斜めの角度で、食材を押し付けるようにしてこしていきます。
裏ごしが終わったら、網の裏側に残った食材を木べらなどで取り除きます。
食材がなめらかになるまで、3~5の工程を繰り返します。
裏ごしを上手にするコツ
裏ごしを上手にするコツは以下の通りです。
加熱した食材は冷めて固くなる前に、温かいうちに裏ごしするのがコツです。
冷めてしまうと裏ごしが難しくなります。
ただし、食材が熱いためやけどに関しては注意して行ってください。
一度にたくさんの食材を裏ごし器にのせるのは避け、少量ずつ裏ごしするのがポイントです。
裏ごし器の網の半分以下の量を目安に乗せましょう。
木べらなどで食材を押し付ける際は、裏ごし器の網目に対して斜めの角度で動かすとうまく裏ごしできます。
水分が少ない食材の場合は、煮汁などを加えて裏ごししやすい水分量に調節しておくと良いでしょう。
裏ごし器がない場合の代用法
裏ごし器がない場合でも、家にあるザルや茶こし、すり鉢を使って裏ごしすることができます。
ザル、茶こしを使った裏ごし
目の細かいザルや茶こしを使えば、裏ごし器と同じように食材をこすことができます。
ただし、仕上がりは裏ごし器よりも粗めになるので、赤ちゃんの様子を見ながら与えましょう。
すり鉢を使った裏ごし
すり鉢を使って食材をすりつぶすことで、なめらかなペースト状にすることができます。
裏ごし器よりも手間がかかりますが、代用品として活用できます。
ブレンダーやフードプロセッサーの活用
ブレンダーやフードプロセッサーを使えば、食材を簡単になめらかなペースト状にすることができます。
ただし、繊維質が完全に取り除けないため、必要に応じて裏ごしを併用すると良いでしょう。
裏ごしした離乳食の保存方法
裏ごしした離乳食は、作り置きして保存することができます。
冷蔵庫で保存する場合は3~4日、冷凍庫で保存する場合は1ヶ月が目安です。
冷蔵保存と冷凍保存の方法
- 冷蔵保存:清潔な保存容器に入れ、空気に触れないようにラップをかけて冷蔵庫で保存します。
- 冷凍保存:小分けにして冷凍用保存袋や容器に入れ、空気を抜いて冷凍庫で保存します。
保存容器の選び方と注意点
保存容器は、清潔で密閉性の高いものを選びましょう。
プラスチック製の容器は、傷がつきにくく衛生的ですが、加熱した食材を直接入れると変形することがあるので注意が必要です。
ガラス製の容器は、耐熱性に優れていますが、割れやすいので取り扱いに注意しましょう。
裏ごしに関する注意点
食材の加熱と冷ます時間を設ける
裏ごしをする前に、食材を十分に加熱することが大切です。
加熱が不十分だと、食中毒のリスクがあります。
また、熱すぎる食材を裏ごしすると、火傷の危険性があるので、少し冷ましてから裏ごしするようにしましょう。
衛生面での注意点
離乳食を作る際は、手洗いを徹底し、調理器具や食材を清潔に保つことが大切です。
裏ごし器も使用後はしっかりと洗浄し、乾燥させてから保管しましょう。
まとめ
裏ごしは、離乳食を赤ちゃんが食べやすい形に仕上げるために欠かせない調理法です。
離乳食の時期に合わせて、適切な固さと大きさに調整することが重要です。
裏ごしを上手に行うためには、目の細かい裏ごし器を使い、熱いうちに少量ずつこすことがポイントです。
裏ごし器がない場合は、ザルや茶こし、すり鉢などで代用することもできます。
裏ごしした離乳食は、冷蔵庫や冷凍庫で保存できますが、衛生面に十分注意しましょう。
赤ちゃんの成長に合わせて、離乳食を進めていくことが大切です。
裏ごしを上手に活用して、赤ちゃんが美味しく、安全に食べられる離乳食を作ってあげましょう。