赤ちゃんの離乳食で欠かせない食材の一つがりんごです。
ビタミンやミネラルが豊富で、自然の甘みは赤ちゃんの食欲をそそります。
しかし、固い果肉や皮があるりんごは、そのまま与えるのは難しいですよね。
ここでは、離乳食でのりんごの与え方と、生で食べられるようになるタイミングについて詳しく解説します。
りんごの栄養と離乳食での役割
りんごは、離乳食に最適な果物の一つです。その理由は、豊富な栄養素と、赤ちゃんが食べやすい特性を備えているからです。
ここでは、離乳食での役割について、お伝えします。
ビタミンやミネラルが豊富
まず、りんごには、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
特に、ビタミンCは免疫力を高める働きがあり、カリウムは体内の水分バランスを整えるのに役立ちます。
離乳食では、これらの栄養素を効率的に摂取することが重要ですが、りんごはその点でも優れています。
食物繊維が豊富で便秘解消に効果的
りんごに含まれる食物繊維、特にペクチンは、消化を助け、便秘解消に効果的です。
また、りんごは加熱することで、消化がよくなり、アレルギー反応を抑える効果も期待できます。
食べやすく自然な甘みが食欲を引き出す
りんごの果肉は柔らかく、歯が生え揃っていない赤ちゃんでも食べやすいのが特徴です。
また、甘みがあるため、離乳食に取り入れることで、食べる意欲を引き出すことができます。
離乳食でのりんごの与え方
離乳食でのりんごの与え方は、赤ちゃんの月齢に合わせて変えていきます。
(これはあくまで目安です。赤ちゃんの発達状況に合わせて、調理法を変えていきましょう)
初期(5〜6ヶ月)
離乳食初期は、なめらかなペースト状の食べ物から始めます。
皮と芯を取り除き、すりおろし器やミキサーですりおろしてペースト状にします。
10倍粥に混ぜるなどして、1回小さじ1程度を目安に与えましょう。
なお、離乳食初期は、アレルギーの有無を確認するため、1週間程度は同じ食材を続けて与えることが大切です。
1日あたりの目安は、ベビースプーン1杯程度になります。
中期(7〜8ヶ月)
離乳食中期になると、徐々に食べ物の固さや大きさを変えていきます。
りんごの固さを調整し、みじん切りにして与えます。
軟飯に混ぜたり、野菜スープに加えたりと、バリエーションを増やせるようになります。
中期は、食材の種類を増やしていく時期です。
りんごと他の食材を組み合わせることで、栄養バランスのとれた食事になります。
1日あたりの目安は、20~30g程度になります。
後期(9〜11ヶ月)
薄切りにしたり、小さめの角切りにして与えます。
手づかみ食べの練習にもなるので、少し大きめに切るのもおすすめです。
後期は、食べる機会が増え、1日の摂取量も増えていきます。
1日あたり30〜40g程度を目安に与えましょう。
完了期(12〜18ヶ月)
完了期は、咀嚼力も発達してくるので、歯ごたえのある食感を楽しめるようになります。
りんごは、薄切りや細長い棒状に切って与えられます。
ただし、のどに詰まらせないよう、大きさには注意が必要です。
りんごを生で与えるタイミング
では、りんごを丸ごと生で与えられるようになるのはいつ頃でしょうか。
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では、離乳食完了期(12〜18ヶ月)以降を目安としています。
生のりんごを食べるには、歯の生え揃い具合や咀嚼力の発達が重要です。
目安の月齢に達していても、個人差があるので、様子を見ながら少しずつ試していきましょう。
また、りんごの皮は固いため、むいて与えるのがおすすめです。
大きさは一口大を目安に、小さく切ることで窒息のリスクを減らせます。
生のりんごを与える際の注意点
生のりんごを離乳食として与える際は、いくつかの重要な注意点があります。
ここではりんごを与える際の注意点について、3つお伝えします。
りんごアレルギーの有無を確認
まず、りんごアレルギーの有無を確認することが大切です。
りんごは、口腔アレルギー症候群を引き起こすことがある果物の一つです。
特に、シラカバやハンノキなどの花粉症がある場合、りんごを食べると口の中のかゆみや腫れなどの症状が出ることがあります。
りんごを初めて与える時は、少量から始め、様子を見ながら徐々に量を増やしていきましょう。
もし、アレルギー症状が現れた場合は、すぐに与えるのを中止し、医師に相談することが重要です。
大きさや固さに気をつけて窒息を防止
次に、りんごの大きさや固さに注意し、窒息のリスクを減らすことが重要です。
りんごは固い食材であり、歯の生え揃っていない乳幼児が丸のまま飲み込むと、気道に詰まって窒息する危険性があります。
慎重に与えたいと考えている方は、生後12ヶ月までは、りんごを細かくすりおろしたりペースト状にして与えるのがよいでしょう。
1歳を過ぎたら、薄切りや一口大の角切りにするなど、食べやすい大きさに調整します。
また、りんごの皮はのどに詰まりやすいので、むいて与えるのがおすすめです。
食べている間は必ず大人が側について見守り、姿勢を整えて集中して食べさせるようにしましょう。
与えすぎは避け、1日10〜20g程度を目安に
最後に、りんごの与えすぎに注意が必要です。
りんごに含まれる食物繊維は便秘解消に役立ちますが、取りすぎるとお腹を緩くしてしまう可能性があります。
1日の目安量は、10〜20g程度とされています。
離乳食の進行に合わせて徐々に量を増やしていきますが、食べすぎないよう注意しましょう。
1歳までは1日1/4個、2歳までは1/2個程度を上限に考えるとよいでしょう。
生のりんごを使った簡単なレシピ
離乳食後期(9〜11ヶ月頃)になると、りんごを生で与えることができるようになります。
ただし、のどに詰まらせないよう、薄切りや小さな角切りにするなど、食べやすい大きさに切ることが大切です。
以下に、生のりんごを使った離乳食レシピをいくつかご紹介します。
- りんごの皮をむき、芯を取り除く。
- 縦半分に切り、さらに細長い棒状に切る。
- りんごの皮をむき、芯を取り除く。
- 一口大に切る。
- ヨーグルトと混ぜ合わせる。
- 食パンの耳を取り、半分に切る。
- りんごの皮をむき、薄切りにする。
- 食パンにチーズとりんごをはさむ。
まとめ
りんごは、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、離乳食に最適な食材です。
赤ちゃんの月齢に合わせて与え方を変え、12ヶ月以降になったら生で食べられるようになります。
ただし、アレルギーの有無や窒息のリスクには十分注意しましょう。小さく切るなどの下ごしらえを行い、少量から始めることが大切です。
離乳食の進み具合に合わせて、りんごを上手に取り入れていきましょう。