「離乳食をよく食べる」と言うと羨ましいと思われがちですが、食欲旺盛な赤ちゃんだからこそ、量やステップアップなど離乳食の失敗や悩みってありますよね。
そんなよく食べる赤ちゃんにやってしまいがちな、離乳食での失敗と進め方の注意点・コツをまとめてみました。
離乳食をよく食べる子にやりがちな失敗
離乳食の与え過ぎ
離乳食をドンドン食べてくれると、嬉しくてついつい食べさせ過ぎてしまったり、欲しがって泣いてしまうのでしょうがなく追加・・・なんてことありますよね。でも、離乳食を欲しがるだけ与えるのはNGなんです!
なぜなら赤ちゃんの食欲や体格が良いからといって、胃の大きさに大差はないからです。よく食べる赤ちゃんは食べることに興味があり、ドンドン口に入れてしまいますが、お腹の中では容量オーバーということも珍しくありません。
そして食べ過ぎた結果、吐いてしまったり、下痢、便秘など体調不良を起こしてしまうこともしばしばあります。
また、少量だと大丈夫だったアレルゲンも、大量に摂取したことによって「過剰摂取アレルギー」を引き起こすこともあるのです。
離乳食のステップアップを先走り過ぎ
好き嫌いなく食べられる食材が増えてくると、ママも次のステップが待ち遠しく、早く進みたくなりますね。
赤ちゃんも食べたい気持ちから、先取りした離乳食でも完食できてしまったりします。
けれど、よく食べる赤ちゃんでも、内臓機能や消化機能の発達が早いとは限りません。離乳食は「食べられたからOK」ではなく、きちんと内臓機能の発達に合った離乳食の形状や食べ物のステップを踏むことが大切です。
まだ消化機能が追い付いていないのに、次のステップの形状の離乳食を与えると、内臓に負担がかかり、赤ちゃんが体調を崩す原因となります。
また、分解できていないまま腸で吸収してしまうことで、食物アレルギーを発症する確率が高まることが分かっています。
月齢・成長に合わせた離乳食を与えることは、赤ちゃんをアレルギーから守る上で大切なことなのです。
脱水症状・栄養不足の恐れも
赤ちゃんは離乳食を食べると、食べた分だけうんちの量や回数が増えます。食べ過ぎでうんちの量が増えると、うんちと一緒に水分もたくさん出てしまい、脱水症状に陥ってしまう恐れがあります。
また、離乳食から完全に栄養を摂ることができない赤ちゃんは、1歳までは授乳がとても大切です。
けれど、離乳食を食べ過ぎた赤ちゃんは授乳を嫌がったり、安心がわりに少ししか飲んでくれないため、必要な栄養が不足し、栄養失調につながる恐れもあります。
離乳食をよく食べる子にベストな離乳食の進め方
水分量を調整してみましょう
離乳食をよく食べる原因として、食べた満足感が足りない「早食い」のせいがあります。
離乳食がスタートして1ヶ月半以降の場合、水分量が赤ちゃんに合っていないと、ゴクゴク飲むように離乳食を平らげてしまいます。あっという間に食べ終わってしまうため、赤ちゃんの食べたい欲求が満たされていないのです。
そこで、水分量を少し減らして、離乳食の形状を調整してみましょう。口の中ですりつぶしたり、モグモグする時間があることで、赤ちゃんも満足してくれます。
また、満腹中枢も刺激されるため、食べ過ぎるのを防ぐことができます。
体調・うんち・皮膚の状態をよく確認して
内臓や消化機能の発達は、目に見えないからこそ、離乳食後の赤ちゃんの体調の変化やうんちの状態をよく観察しましょう。
食べた後に吐いてしまうのはやはり、食べ過ぎの可能性があります。
また、うんちに下痢や食べたものが消化されずにそのまま出てきていたら、離乳食のステップアップが早過ぎたサインです。次の離乳食のときには量や形状を見直してくださいね。
皮膚の変化は、アレルギーを見極める重要なポイントです。以前は食べて平気だった食べ物なのに、口回りに赤みが出たり、体全体をかゆがったりしていたら、過剰摂取によるアレルギーの反応かもしれません。甘く見ず、小児科の受診をおススメします。
「欲しがるだけ与える」のは授乳!
離乳食で満足できないままだと、赤ちゃんもご機嫌ナナメですね。その代わり、授乳タイムは欲しがるだけ与えて満足させてあげましょう。ミルクの赤ちゃんは、上限のミルク量にプラスで麦茶や白湯をあげるなど、調整してみてくださいね。
ミルクやおっぱいを拒否して泣く場合もありますね。そのときは気分転換が効果があります。外に行ったり、DVDを見たり、手遊び、月齢に合った体を使った遊びで、食事以外のことに注意を向けてあげましょう。
離乳食では、欲しがっているのに与えないのはかわいそう、と考えるのは間違いです。与え過ぎや早過ぎるステップアップで体調を崩すことのほうが、赤ちゃんにとってマイナスなのです。
本当に赤ちゃんのことを想うなら、量と時期のルールはきちんと守って、離乳食を安全に進めてあげてくださいね。