育休の延長が2歳前まで認められるといっても、いろいろな事情により、育休を延長するか退職するか悩んでいるママもいらっしゃるのではないかと思います。
そこで今回の記事では、育休の延長と退職の悩みについて、どう解決していけばよいのかを考えてみました。
育休の延長を認めてもらえない場合は退職?
育休の延長を希望していて会社側から拒否された場合、退職しなければならないのでしょうか。
実は、育休の延長を理由に辞めさせられることは違法となるんです。
とは言っても、実際問題、会社側から育休の延長を拒否されて、泣く泣く退職してしまうママも多いのではないでしょうか。
会社側の事情もわからなくはないのですが、保育所には入所できない、近くに子供の面倒を見てくれる親もいない、会社では育休の延長を認めてもらえないとなってしまったら、困ってしまいますよね。
ましてや、退職しても経済的に大丈夫というのであればよいのですが、経済的に退職したくないといった場合は、その後の生活にも影響が出てきてしまいます。
そこで、その対処法として下記の4つのことを提案させていただきます。
1、労働基準監督署に相談する
育休の延長に伴うトラブルの場合は、まず、信頼できる上司や人事労務などの相談担当者、または労働組合に相談してみましょう。
会社の人に相談をしても解決できない場合は、都道府県の労働局雇用環境・均等部(室)へ相談してみてはどうでしょうか。
労働局雇用環境・均等部では、育休の延長を巡る不利益取扱い等といったトラブルが生じた場合、申し出によって、トラブルの早期解決に向けての援助を行っています。
または、あらかじめ労働局雇用環境・均等部に相談して、対処法のアドバイスをもらったうえで、会社側と話し合いをしてもよいかもしれませんね。
ただし、相談をしたことで職場復帰にこぎつけたとしても、子供が病気になった時に休みづらかったり、働きづらい雰囲気だったりと、働き続けることが難しくなることもあるかもしれません。
家族の方とも相談されて、よく考えてから行動に移してください。
育休の法律や退職に関する記事もありますので、参考になさって下さい。
⇒ 育休を理由とした会社都合の退職と法律の関係について!その対処法とは
2、無認可保育施設に預ける
経済的な事情等で退職できないという場合は、無認可保育施設に預けることも検討してみてはどうでしょうか。
赤字になる期間もあるとは思いますが、長い目で見て、ここで退職してしまう方がよいのか、勤め続けた方がよいのか、よく考えてみて下さいね。
認証保育園に関する記事はこちら
⇒ 認証保育所ってどんなところ?入所しても育休の延長はできるの?
3、会社に育児休業給付金の延長をお願いする
退職となったら経済的な事情ですぐにでも転職先を探さなければならないといったケースの場合ですが、育休を延長してもらい、転職先の見つかるギリギリまで育児休業給付金をもらえるように、会社に交渉してみるのもよいかもしれません。
ただし、その場合、会社とよく相談する必要があります。
会社側の都合で転職しなければならない場合は、下記の記事を参考になさって下さい。
⇒ 転職したら育休手当ってどうなるの?給付を受けるための条件について
4、会社都合退社にしてもらう
育児休業給付金をもらった後でも、退職となった場合、働ける状態であれば失業保険が支給されます。
その場合、「会社都合退職」としてもらえると、給付の開始が自己都合退職よりも約3か月早く支給されます。
実際、会社の都合で退職となるわけですから、会社の方に交渉の余地はあるかと思います。
育休の延長を理由に辞めさせることは違法となりますので、退職させられた場合は、失業保険をすぐもらえるように、会社都合の退職にしてもらいましょう。
もし自己都合退職だとしても、ハローワークで手続きする際に事情を話してみるとよいと思います。
退職については「1」で紹介した別記事も、ぜひ参考になさって下さい。
失業保険についての詳しい記事は、下記をご覧になさって下さい。
⇒ 育休後に退職した場合の失業保険はどうなる?押さえておきたい受給のポイント
育休を延長している間に配置転換されたので退職したい
育休を延長している間に、違う部署に配置転換されたり、条件が悪くなったりと、育休を取る前と待遇が異なることって、往々にしてあることかもしれませんね。
そもそも、育休を理由とする不利益な取り扱いは法律で禁止されているんです。
出産や産休・育休を理由として次のような取り扱いを受けたら法違反です。
- 解雇された
- 契約が更新されなかった
- パートにさせられた
- 減給された
- ありえないような配置転換をされた
このような扱いを受けた時には、労働基準監督署(前章の「1」でサイトを紹介)に相談をしたり、アドバイスを求めたりしてみてもよいのではないかと思います。
では、会社の不利益な取り扱いによって退職した場合は、会社都合退職になるのでしょうか、それとも自己都合退職になるのでしょうか。
自分から「退職届」を出した場合は、残念ながら自己都合退職になってしまうと思います。
しかし、ハローワークで失業保険の手続きをする際に事情を説明すれば、もしかしたら配慮してもらえる可能性もあります。
失業保険の詳しい内容の別記事を前章の「4」で紹介していますのでぜひ参考になって下さい。
育休の延長をして給付金を受給、それとも退職して失業保険
育休を延長して育児休業給付金をもらうか、それとも延長せず退職して失業保険をもらうか、迷ってしまわれる方もいらっしゃると思います。
どちらが得かというのは、育休を延長して働き続けることだと思います。
ただし、退職することが前提だという場合は、どちらとも言えません。
失業保険は勤続年数や年齢、その他の条件によって支給期間が違ってきますし、そもそも働ける状態でなければ失業保険は支給されません。
また、失業保険の受給資格の決定を受けてしまうと、次の子を出産するタイミングによっては、前職の雇用保険加入期間と通算することができなくなり、結果、次の育休では育児休業給付金がもらえないことがあります。
よく考えてから、手続きをして下さい。
一方、育休や育児休業給付金は、働き続ける人をサポートするための制度です。
よっぽどの事情がない限り、退職するつもりであれば早めに会社の方に申し出てほしいと思います。
育休の延長をして育児休業給付金をもらい続けるか、退職となって失業保険の手続きをするかは、よく考えてから判断して下さいね。