育休中に病気になったら延長できる?制度の仕組みと延長できない場合の対処法

育休の延長に関すること

育休を取っていて、ママやパパ、もしくは子供が病気になったら、職場復帰することは難しくなってしまいます。

その場合、育休を延長することはできるのでしょうか?

また、育休を延長できない時はどうしたらよいのでしょうか?

今回の記事では、育休中の病気の場合の延長についてお伝えしていきます。

 

病気になった場合の育休の延長は?

育休中にパパやママ、または赤ちゃんが病気になってしまって職場復帰が難しい場合、育休の延長はできるのでしょうか?

法律上では、育休の延長は次のいずれにも該当する場合とあります。

  • 子供が1歳に達する日(誕生日の前日)において、育児休業をしている場合。
  • 保育所に入所できない、子の養育を行っている配偶者が死亡、怪我や病気、離婚等で1歳を超えても休業が特に必要と認められる場合。

保育所に入所できない理由で育休を延長する場合は、保育所に入所できないということを証明する「保育所入所保留通知書(不承諾通知書)」という書類が必要になります。

また、無認可保育施設は含まれません

 

これらを整理してみると、あくまで「育児・介護休業法」の上では、下記のようになります。

  • パパが育休を取っている本人で、いつも子供の養育を行っているその配偶者であるママが病気になった場合には、延長をすることができます
  • ママが育休を取っている本人で、いつも子供の養育を行っていないその配偶者であるパパが病気になった場合には、延長をすることはできません
  • 育休を取っている本人であるママが病気になった場合は、残念ながら病気を理由に育休を延長することはできません
  • 子供が病気になった場合も、それを理由に育休を延長することはできません

 

しかし、育児休業会社の規定によるものなので、もしかしたらその会社さんによっては、本人や配偶者、子供の病気という理由で育休の延長を認めているところもあるかもしれません。

まずは、会社の就業規則を確認してみたり、会社に相談してみたりするとよいと思います。

会社の規定にはなくても、相談することによって、延長について配慮してもらえる可能性もゼロではないと思います。

 

病気になった場合の育児休業給付金の延長は?

育休が延長できた場合、気になるのが、給付金の支給対象期間の延長についてなのではないでしょうか。

育児休業給付金を受給するためには、育児休業を取っていることが条件となりますが、育児休業はあくまでも会社の制度です。

育児休業給付金の給付は、育児休業とリンクしているとはいえ、制度としては全く別物と考えた方がよいと思います。

会社で育児休業の延長を認められたとしても、必ずしも給付金も延長になるとは限りません

 

では、育児休業給付金の支給対象期間を延長することができる要件をみてみましょう。

育休を取っていて、下記のどちらかの事由に該当する場合に給付金を延長することができます。

  • 保育所等での保育の実施を希望し、申し込みを行っているのにもかかわらず入所できない。
  • 子の養育を行っている配偶者が死亡、怪我や病気、離婚、6週間以内の出産または産後8週間を経過しない場合。

 

ですので、いつも子供の面倒をみている配偶者が病気の場合は延長できますし、本人や子供が病気の場合は延長できません。

ただし、配偶者の病気という理由で給付金を延長する場合は、診断書が必要となります。

ちなみに、いつも子供の面倒をみていない配偶者(いつも子供の面倒をみているママが育休を取っている本人である場合、配偶者はパパを指します)が病気の場合は延長できません。

 

 

なお、保育所に入所できないというのは、あくまでも「待機児童」であるということで、「子供が病気だから入所できない」ではないんです。

病気の子供の面倒をみるという理由では、給付金の延長はできないということなります。

また、育休を取っている本人が病気でも、育児はできているわけですので、給付金の延長はできません。

何とも納得できないところもありますが、このような制度となっているので致し方のないことです。

 

妻が産後うつのため育休の延長をしたいができない

産後に奥様が、うつに限らず何かのご病気になられると、ご主人は大変な思いをされると思います。

特に、うつという病気は、長くかかりますし、周りの理解が不可欠となります。

本当にお辛い状況だと思います。

 

ご主人の育休の延長については、配偶者が疾病により子供を養育することが困難となった時という要件は満たしています。

子供が1歳に達する日において育児休業をしているというもう1つの要件を満たしていれば、法律上では育休を延長できますし、給付金についても支給対象期間を延長することができます

ただ、男性も育休を取れるという時代と言っても、なかなか仕事の方もそうそう休むわけにはいかないということも理解できます。

やはり、ご実家に頼るのが最善な方法だと思います。

 

もし、頼れない事情があるとしたら、こういったケースの場合は保育所に入所できる優先度が高いと思いますので、役所に相談されてみてはどうでしょうか。

その時に、奥様のことを保健師さんにも相談されてみるとよいと思います。

地域によっては、ベビーシッターのような制度があるかもしれません。

 

そして、何より早急に専門家に診ていただくことが必要かと思います。

うつは放っておいても治る病気ではありません。

最初から精神科ではハードルが高いというのであれば、まずは、産婦人科の担当の先生に相談されてみて下さい。

お仕事と育児と看護は、本当に大変なことだとは思いますが、一人で頑張らずに周りに頼って何とか乗り切って下さいね。

 

病気になっても育休の延長ができない場合は?

育休を取った本人や子供が病気になった場合、病気を理由に育休を延長することはできません

だからといって、実際問題として、病気が回復しないまま職場復帰したり、病気の子供の看病をしないで仕事に行くことはできないですよね。

とにかくまずは、会社に相談されるべきだと思います。

 

本人の病気について、健康保険では傷病手当金という給付制度もありますので、条件に当てはまればこのような制度も利用することが可能かもしれません。

⇒ 傷病手当金について(全国健康保険協会)

 

子供の病気については、要件を満たせば介護休業を取ることができるかもしれません。

⇒ 育児・介護休業制度ガイドブック(厚生労働省)

 

そして、ご実家に頼れる状況であれば、ご実家に頼ってほしいです。

もし、事情があってそれができないのなら、役所や保健センターに相談してほしいですね。

相談したり、頼ったりするということは、実は勇気のいることです。

でもここは、お子さんのためにも勇気を出して、周りに頼ってほしいと思います。

困難を乗り越えて自分に余裕が出てきた時に、今度は周りにお返しすればよいのだと思います。

 

また、経済的にどうしても大変ということではない限り、ご自分の身体やお子さんのことを第一に考えてみては。

会社では誰かが代わりになってくれますが、子供にとってママは代わりがいないんです。

身体の調子が思わしくない時には、大人でさえ誰かに側にいてもらえると安心します。

赤ちゃんだって言葉が話せないだけで、本当はママが側にいるだけで安心するのではないでしょうか。

職場復帰よりも、ご自分の身体を労わることや、お子さんの看病に専念する方向に、気持ちを切り替えるという判断も、視野に入れて考えてみてはどうでしょうか。

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