子育てをしていると、悩みが尽きませんよね。
その中でも思春期の時期は、親子でバトルを繰り返してしまい、疲れ切って大変だと感じてしまう親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
理想を求めながらも、挫折感を負いやすい思春期の子供たちを支えるために、すべきことを考えて参りましょう。
改めて子育ての大変さを実感!そもそも思春期って?
親の言うことを聞かない、口を利かない、「うざい」「ばばあ」と暴言を吐く、「関係ない」「私は私」と言い返す、外見に気を遣うようになったなど…
つい最近まで、うっとおしいくらい親ベッタリだった我が子が、やたらと反抗ばかりしてくるようになったら、戸惑ってしまいますよね。
身体が子供から大人に急激に変化していくことに、心の成長がゆっくりなためそれについていけず、精神的にアンバランスで不安定になってしまう時期のことを思春期といいます。
そして、それが反抗期の時期でもあるため、親にとっては子育てがちょっと難しいと感じてしまうことがあるかもしれません。
また、親に頼りたいし、頼らなければならない、でも反抗したい、仲間と離れたくない、でも自分らしくいたい、そんな相反する感情が同居している状態でもあります。
要するに、「自分は自分」「干渉されたくない」「1人の人間として扱ってほしい」「自分の力でやってみたい」という自己主張の表れです。
なので、これらの言動は、自立してきているという成長の証と考えてよいと思います。
「くそばばあ」なんて言われたら、お母さんとしてはショックかもしれませんが、この時期、子供が親に何でもぶち当てることができるのは、良い親子関係といえます。
逆に、親に遠慮して言いたいことを言えない子供は、親の管理下に置かれていることが考えられます。
親の下で親の言う通りに過ごしていれば、生きていく上で失敗するリスクも少ないですし、効率もいい。
しかし思春期というのは、親に大事に育てられていた自分から脱皮して、失敗しながらも、自分の力で生きようと模索する時期なのです。
そのような時期を乗り越えていくことで、失敗にも強くなりますし、また失敗を恐れずに新しいことにチャレンジできるようになっていきます。
こうして、自我を持ち、自分の考えで判断して行動できる大人になることが大切なのです。
そんな大変な思春期の子育て…親の対応は?
それではこのような思春期の子供たちを支えるためにはどうしたらよいのでしょうか。
この時期、親に反発するのは、「自分を認めてほしい」という自我であり、それが思うようにいかない、言わば八つ当たりのようなものです。
また、自立したいという思いと、甘えたいという思いが錯綜する複雑な時期でもあります。
そんな中で、甘えたい気持ちの方が強く出てしまうことがありますが、これが親からすると自分勝手だと感じてしまうかもしれませんね。
しかし、このような時は愛情確認なのかもしれません、気を付けて対応しないと、問題行動を起こすようになってしまうことがあります。
反抗的な態度に、ついカッとなってしまうことがありますが、怒鳴ったり手を上げてしまうのはNGです。
親の対応として大事なことは
- 子供の主張や考えを否定しないで、しっかりと耳を傾けて、まずは受け入れること
- 自分と違う考えだとしても、そういう考え方もあると、親は一歩引いて冷静に考える
- 自分の考えで行動しようとしている子供が達成感を得られるように見守る
思春期の子育てでは、善悪を裁くのではなく、傍に立って見守るということが重要です。
【赤ちゃん:抱っこ】→【子供:手を繋ぐ】→【思春期:傍に立って一緒に歩く】
しかし、子供のあまりにも無謀な主張や行動には、毅然と制することも必要です。
そんな時もやはり、きちんと子供と向き合い、頭から否定せずに、話を最後まできちんと聞いてあげることが、とても大切です。
大変な思春期の子育ては親子関係を見直す時期
子供たちは、戸惑い、葛藤しながらも、思春期を乗り越えて大人になっていきます。
そして、親の方も子供の思春期を通して、たとえ自分の子供であっても、「思い通りにはならない、自分とは別の人格」ということを、再確認させられるのではないでしょうか。
また、思春期の子供たちは
- 本音で話し合えるか
- 本質的に理解し合えるのか
- 人と繋がっていられるか
- 協力して社会を営むことができるのか
- 理想を実現することはできるか
このような人生の問いかけを抱き、答えを求めています。
そのためには、私達大人が
- 自分の意見や考えをきちんと述べる
- 他人の違う意見でも、真心を持ってきちんと聞く
- 違った意見でも話し合って物事を進める
夫婦や家族同士、様々な集団の中で、考えの全く違う人たち同士でも分かり合い、協力し合い、理想に向かって困難を克服するために努力するという姿勢を、子供たちに示さなければならないのではないでしょうか。
大変な思春期の始まりを遅らせる子育てってあるの?
現代の思春期の時期は、その子供によって大幅に違ってきますが、11,12歳から16,17歳くらいの間で、およそ2年間位~6年間位だと言われています。
ちなみに200年前の思春期は、1年半位だったようです。
それだけ現代は、子供の成長を取り巻くものが、複雑になっているということなのでしょうか。
現代の子供たちの思春期が長くなったのは、記憶させられることが多すぎることや、ファンタジーの力が弱くなったためではないかと考えられます。
子供が小さい時に、童話や神話をいっぱい与えてあげたり、子供らしい暮らしをたくさんさせてあげたりすることが、思春期の始まりを遅らせることができるといわれています。