義務教育が終わり、自分たちが選んだそれぞれの道を歩き始めた高校生。
今までは、親の腕の中で温められていた子供たちも、自分の羽を広げてはばたく準備をしています。
そんな子供たちに、親たちはどう関わっていくか、子育ての悩みの相談を取り上げて、私たちにできることを考えていきましょう。
高校生になった子供と折り合いが悪くなり、悩んでいます
今まで苦労して育ててきたのに、高校生になって子供さんと仲が悪くなってしまったというのは、親としてはやりきれない思いでいっぱいですよね。
「一人で大きくなったと思ったら大間違いなんだから」と一言、言ってやりたくなる気持ちも分からなくもありません。
もしかしたら、まだ反抗期の真っ最中なのかもしれませんね。
また、他に考えられるのは、子供に対して何かプライドを傷つけるような言動をした場合に、そういったケースに陥ることがあります。
親からすれば、何でもない一言だったり、今までも言ってきたことだったり、やったきたことだったかもしれません。
親の目からすると何もできなくて、幼く見えますが、相手は高校生、ある程度は大人です。
学校でも、中学生では細かく支持されることも、高校生では、現地待ち合わせ、自主参加など、自分たちで考えて行動することが多いと思います。
親が子供を、自分の所有物のように扱うような言動は、高校生のプライドを傷つけます。
小さい頃はそれでもいいですが、子供の様子をみて、高校生くらいから切り替えることも必要になってくると思います。
また、子育ては、見返りを期待してするものではありませんし、「育児は育自」というように、子育てをしながら自分も成長させられることを思うと、恩着せがましいのはどうかなと。
そもそも親と子供は別の人格ですので、子供は自分の思った通りにもなりませんし、自分と同じように生きていくこともできません。
それを子供に求め過ぎると、反感を買います。
高校生になると、[意志]や[感情]は、もう十分育っています。
子供の方は、自分は親とは違う一人の人間だという自覚を持っているので、親の方も子供を、自分とは違う一人の大人として認めて接してあげれば、関係性も変わるかもしれません。
子育ての集大成ともいえるこの時期、親は子供に寄り添い、見守りながら、成長過程での最終段階となる[思考]を育てていってあげてください。
高校生の進路で悩む子育ての相談
高校生の進路の悩みは、次のように様々で、複雑です。
- 進みたい分野に資格を取得する制度がないので、志望していないが資格の取れる方向に進路を変えるか迷っている
- 大学に進学したいが、経済的に無理
- ずっと夢だった職業は、資格を取得するのに年数が掛かり過ぎるし、就職先も少ない
- 就職したいと思うけれども、資格も取りたい
- まだ将来の目標が決まっていない
夢を叶えるために、努力して邁進していくことは、とても素晴らしいことです。
しかし実際には、世の中にいわゆる専門職というのは15%しかなく、残りの85%は会社員だといわれています。
こういった世の中で、自分のやりたい事と現実とのギャップで、親も子も悩んでしまうのは当たり前です。
成績や能力、適性、親の経済力などの限られた条件と、自分の夢とに折り合いをつけて、親子でよく話し合わなければなりません。
そうした中で、決して親が押し付けたりせずに、子供が主体となって決断することが望ましいことだと思います。
それから、膨大な借金をして進学した場合、返すことがどんなに大変かということも、きちんと話し合う必要があります。
なかなか理想通りにはいかないかもしれませんが、子供の進路に向かって、3年間じっくりと高校生活を支えてあげて下さい。
いろいろ悩んで考えた上での、子供が決めた進路ですが、途中で変わってしまったり、挫折したりすることもあるかもしれません。
また、進学する前に何かしらの事情で、今まできた道を変更しなければならない時もあります。
そうなった時、親はとてもとても子供のことを心配して、心を痛めてしまうと思います。
いろいろな挫折を親子で乗り越え、いつの日か、今の幸せがあるから、この進路だったのだと思える時がくることを願っています。
高校生の子育ての相談で、意外と多い男女交際の悩み
高校生を持つ親の相談で意外と多いのが、子供たちの男女交際についてでした。
確かに今は、プライベートの通信手段が発達していますし、たくさんの情報を簡単に得ることができます。
最近の小・中学生向けの漫画や雑誌などの描写にも、びっくりさせられることが多いですよね。
親世代の頃よりもずいぶんとおませさんで、親が心配するのも当然のことです。
だからといって、ずっと付いて歩くわけにもいきませんし、肉体関係を持つことを公認するというのも違うと思います。
ここで大事なのは、親は子供に対して何事とも毅然と接するべきだということです。
よく彼氏や彼女を家に泊めていいかという質問がありますが、ダメなことはダメときっちり答えてほしいと思います。
親は、今のことに流されないで、子供の10年後20年後と将来のことを考えていきましょう。
そして、「あなたのことを大事に思っている」「同じように、相手の親も子供のことを大事に思っている」「だから自分のことも相手のことも大事にして欲しい」と伝えられるといいですね。
高校生の子育てで思うこと
高校生くらいになると、もう自分の思う通りの子供ではないかもしれません。
それが、その子にとっての最善の道だと信じて、まるごと見守っていてあげて下さい。
もしも、躓いてどうしようもなくなってしまった時には、しっかり支えてあげればいいのです。
いつも見守っているよ、大丈夫という安心感が、子供の自己肯定感を育て、自信につながります。
今までずっと、子育てを頑張ってきたのですから、子供は自分自身の足でしっかりと立って、これからの人生を力強く歩んでいくことができると思います。
自分のことも子供のことも、どうぞ信じてみて下さい。