自分の子供が、不登校、引きこもり、ニート、犯罪者、または、自立できないなんてことになったら、「子育てに失敗したかな?」と思うかもしれません。
「子育てに失敗したら親の責任」というプレッシャーから、実は、多くのパパやママが子育てに不安を抱えています。
そんな子育ての失敗の責任について、考えていきたいと思います。
子育ての失敗は親の責任?
「子供のしたことは親に責任がある」これって常識的なことかなあって思います。
いつまでと言われると…やっぱり成人になるあたりまででしょうかね。
子育ての失敗が親の責任とは、いったいどういうことなのでしょうか。
そもそも子育てに失敗ってあるの?
よく、子供のことを「失敗作」とか、「できそこない」などと呼ぶのを耳にします。
もしかしたら、親は、謙遜だったり、冗談だったり、何気なく言っただけなのかもしれませんが、よくよく考えてみると、子供に対して失礼なことだと思います。
子供は親の作品でもないし、所有物でもありません。
たとえ自分の子供であっても、親と子供は別の人格と、まずは切り離して考えるべきではないでしょうか。
確かに、何か事件が起こった時、その犯人の育った環境に大きな問題があることも間違いはありません。
また、あまりにも劣悪な養育環境から、ある意味その犯人自身が犠牲者ではないのかと考えさせられる時もあります。
しかし、劣悪な環境で育ったり、親がいなかったりしたにもかかわらず、立派に生きている人も世の中にはたくさんいます。
その裏に、とてつもない苦労があったことも想像できますが…
逆に、恵まれた環境であっても、人を傷つける人もいます。
虐待やネグレクト、病的な過干渉といった常識では考えられないような子育ては別ですが、そもそも、子育ての失敗ってなんだろうと思ってしまいます。
親が子育ての失敗を恐れる要因
今の世の中、情報がいやおうなしに入ってきますし、短い期間でいろいろなことが目まぐるしく変化していきます。
その中でもネットなどの情報は、とても便利な面もありますが、その通りにならないことで焦りを煽ってしまうという側面も持ち合わせています。
また、パパやママの両親などの言動に翻弄されてしまうこともありますよね。
ママ友やご近所さんの噂話が悩みの種となることもあります。
周りの心無い言動で傷つけられることを恐れて…
「子育てに失敗しないように、周りと同じように、良い子であるように、育てなければ!」
知らず知らずのうちに、こんなプレッシャーが多くのママたちにのしかかっているのかもしれません。
子育ては失敗だらけ
子育てって、失敗の連続なのではないかとも思います。
子育てをしていて、「失敗だった!」と思ったことって何回もありませんか?
子育てをしていると、私ももちろんそうですが、「失敗した!」「なんでこういう言い方してしまったんだろう」「今のは私の方が悪いよな」など、あ~失敗したと思うことがいっぱいあります。
子育てって、誰でも初めて経験することなので、失敗するのは当たり前なのではないかと思うんです。
子育ては、よっぽど自分の親の育て方に疑問を持たない限り、自分が育てられてきたことをお手本にして子供を育てます。
また、昔は厳しい躾けというのが当たり前でしたが、近年は「叱らない子育て」が推奨されていますよね。
叩く行為も、昔は躾、今は暴力と、時代によって変わっていくものです。
良かれと信じていた育て方をしたつもりだったのに、それが失敗だと言われても、どうすればいいのかわからなくなってしまいますよね。
時代が変わっても、子供のためを思うなら、暴力はもちろんいけないけど、ダメなことはダメときちんと教えてあげたり、叱ったりしなければなりません。
しかし、そう思っていても、子供の言動にイライラして手をあげてしまいたくなったり、うまく伝えることができなかったりする時だってあります。
親だって人間ですから…
もし万が一手をあげてしまったり、傷つけることを言ってしまったりしたら、素直に謝るということが大切なのではないでしょうか。
親って子供に対してプライドがあるというか、なかなか謝ることって難しいですよね。
でも自分が悪かったら、勇気を出してきちんと認めて下さいね。
失敗ではなくて試練と受け止める
冒頭で挙げた、不登校、引きこもり、ニート、親離れできない、犯罪者など、子供がそうなったら、子育ての仕方に問題があったのだろうかと悩んでしまいますよね。
そして、子供が苦しんでいる姿を見たり、子供の将来に不安を感じたりすると、親としては、心がえぐられるような気持ちになります。
でも、結果として失敗ということではなく、試練ととらえてみてはどうでしょうか。
長い人生、ほとんどの人が挫折や失敗があって、それを乗り越えて立派に生きています。
何十年と生きていて、何もない人なんかいないと思います。
失敗かどうかは、子供の人生が終わってみないとわからないことです。
子供の人生を、子育ての成功とか失敗とか、勝ち組、負け組なんて、ひとくくりにすること自体、おこがましいことなのではないかと思うんです。
子育てって、親と子供がともに成長していくことですし、親も、子育てを通じて、人生の勉強をしているのではないでしょうか。
そもそも完璧な子育てなんてできっこないと思います。
反抗期がくると、親は、子供が自分の足で歩こうとしていることを思い知らされます。
そして、子供は親の思い通りにはならないと気付かされ、親は少し寂しい思いをするかもしれません。
でも、ここでお互いに、別の人格なんだと再認識させられることは、とても大切なことです。
どの親も責任を待って一生懸命子育てしている
やり方がどうであれ、虐待など特別の事情ではない限り、どの親も必死で、良かれと思って子育てをしているんです。
失敗しようとして子育てしている親なんていないと思います。
もし、何かがかみ合わなくて、うまくいかないことがあったにせよ、子供の立ち直る力を信じてあげてほしいと思います。
子供の苦しんでいる様子を見守っていくのは、とても辛いことですが、きっと立ち直ってくれるはずです。
もし、親も子も、間違いかなと気付いたら、その時点で、修正すればいいのではないでしょうか。
または、子供が親になった時、自分の親の間違いに気付いた時点で、子供自身が修正すればいいことです。
そのためには、自分だけが正しいという意識を捨てて、いろいろなことに耳を傾けて、知識をたくさん得て、素直な心で柔軟に考える力を身につける努力をしていってほしいと思います。
親だから、子供より偉いのではなくて、お互いに認め合って、お互いに聞く耳を持てば、関係性も変わるのでは。
お互い素直な気持ちでよく話し合いをして、お互いを尊重しながら、問題を修正していってほしいと思います。
子育ての失敗の責任を恐れずに楽しんで子育てを
一人きりで子育てをしていると、子育てに失敗したら、その責任が自分にあるような気がして、子育てを楽しめないママも多いと聞きます。
子供に必要なのは、成功とか失敗とかじゃなくて、ママの愛情と笑顔なのではないでしょうか。
するかしないかもわからない失敗を気にして、今を楽しまなかったらもったいないじゃないですか。
子供の人生にも、遅かれ早かれ、必ず何かしらの試練がやってきます。
ママの笑顔のシャワーをたくさん浴びて育った子供は、必ず立ち直って困難を乗り越えられます。