生後5~6か月頃、いよいよ離乳食をスタートさせる赤ちゃんが多いなか、心配になるのがアレルギーのこと。
離乳食が原因のアレルギーの場合、どういった症状が出てくるか気になるところですね。
そこで今回は、離乳食のアレルギーがどんな症状か、また、どんな症状で受診すればよいのかを調べました。
離乳食が原因のアレルギーとはどんな症状?
離乳食を始める生後5~6か月頃、我が子の成長に喜びを感じる反面、離乳食によるアレルギーが心配になる時期でもあります。
アレルギーとは、病気になることを防ぐための炎症や免疫反応が過剰に起こってしまい、免疫の仕組みが正常に作動しない状態のことです。
その中でも、食物が原因のアレルギーを食物アレルギーといいます。
食物アレルギーは、0~3歳といった乳幼児に多いアレルギー疾患なんです。
乳幼児の場合、腸管や消化機能が未成熟であるため、身体に取り入れられたタンパク質がうまく分解されず、異物と認識されてしまいます。
そのため、本当ならば身体に害のないタンパク質なのに、ウィルスや細菌と似たようなものと判断し、攻撃や撃退の反応を起こしてしまうのです。
その際に、体内では、さまざまな化学物質が放出されるのですが、これが、かゆみや炎症といったアレルギー症状を引き起こす原因となります。
もっとも多い食物アレルギーは、蕁麻疹などの皮膚症状で、約9割といわれています。
しかし、一つの症状だけでなく、他にも重複して、呼吸器、消化器、粘膜など広範囲にわたってさまざまな症状がでます。
- 皮膚症状…蕁麻疹、湿疹、痒み、血管浮腫など
- 呼吸器症状…咳、ゼイゼイ・ヒューヒューといった呼吸音、息苦しい、のどが詰まって苦しくなるなど
- 消化器症状…腹痛、下痢、血便、嘔吐、吐き気など
- 鼻の症状…くしゃみ、鼻水、鼻づまり
- 眼の症状…眼が赤くなる、白目の部分が腫れて水ぶくれのようになる
- 口の症状…口の周りや口腔粘膜の腫れ(果物・野菜アレルギーに多い症状)など
- 泌尿器症状…頻尿、膀胱炎、血尿、タンパク尿など
- 神経症状…頭痛、けいれん、イライラ、めまい、不機嫌、ショックなど
離乳食でのアレルギーはどんな症状で病院へ行くべき?
離乳食によるアレルギーの症状について述べてきましたが、迷ってしまうのは、病院へ行くタイミングですよね。
前述したとおり、食物アレルギーの症状はさまざまです。
前章にあげた、皮膚や呼吸器、消化器などの症状が出るなど、「離乳食を食べた後、様子がおかしい」と感じたら、よく観察してみましょう。
そして、症状が悪化傾向にあると思った時には、早めに受診することをおススメします。
また、次のような場合は、アレルギー症状である可能性が高いので、症状が軽いなあと思っても受診することが望ましいです。
- 家族にアレルギー体質の人がいる
- 同じような症状を繰り返している
- 食べたあとすぐに症状が出た
もし、症状が心配であれば、迷わず病院へ行きましょう。
まずは小児科に、必要であればアレルギー専門医に診てもらうことが望ましいです。
受診される際には、原因として考えられる食べ物をメモしていくと、診断しやすいですね。
また、蕁麻疹や湿疹の状態を、スマホなどの画像に撮っておくとよいと思います。
早めに受診をすることで、不安も解消されますし、もしアレルギーであれば早めに治療を始めることで、赤ちゃんの身体への負担が軽くなるのではないかと思います。
また、まれにですが、全身に症状が現れてショック状態に陥る可能性のあるアナフィラキシー症状を起こす場合があります。
アナフィラキシーショックとは、体内にアレルゲンを取り込んだ時に起こる、急性の激しいアレルギー反応のことです。
顔面蒼白、蕁麻疹、嘔吐、呼吸困難、血圧低下、意識の低下などの症状を引き起こし、ときにショック状態に陥って死に至ることもあります。
アナフィラキシーショックを起こした場合には、すぐに救急車を呼ぶようにしてください。
離乳食のアレルギーはどんな症状かよく観察することが重要
アレルギー症状かどうかを見極めるって、素人ではなかなか難しいこと。
しかし、特に乳児のアレルギーでの予防と治療においては、「いかに変化を敏感に感じ取り、正しく原因を突き止められるか」が重要といわれています。
それは、赤ちゃんはうまく伝えることができないから…
乳児の場合、皮膚や呼吸器、消化器に症状が出ることが多いですので、皮膚だけでなく身体全体の様子を見るようにしてあげるとよいでしょう。
食後に赤ちゃんの様子が少しでも変だなあと思ったら、服を脱がせて身体全体をしっかりとチェックしてください。
- 身体を痒がって掻いている
- 顔やお腹などに蕁麻疹が出ている
- 口の周りや目の周りが赤くなっている
- 顔が腫れている
- 下痢をしている
- 吐き気や嘔吐がある
- 呼吸が苦しそう
- やたらに口を動かして痒そうにしている
上記の項目をチェックして、小さなことでも気になることは記録しておくように。
そうすることで、受診した際に医師が正確な診断をしやすいのではないかと思います。
食物アレルギーの治療は、長い時間を一緒に過ごしている親の観察力が最も重要ですので、赤ちゃんのことを注意深く見守ってあげてほしいと思います。
【参考文献】
上手におつき合いアトピー/食物アレルギー
子どもの食事とアレルギーQ&A
図解 食物アレルギーの悩みを解消する!最新治療と正しい知識